[銀河鉄道の夜]いちばんの幸いとはなんだろうか[読書]

読書

今年こそは本を読むぞ。頑張るぞ。どうもハクロです。

今年一冊目は銀河鉄道の夜。随分前に読んだきりで細かい内容はすっかり忘れてしまっていました。

感想と疑問、調べたことをまとめます。ネタバレありあり。

まずは感想から。

感想

比喩に使われるモチーフがきらきらしてて素敵

「月長石ででも刻まれたようなりんどうの花」と言うフレーズがお気に入り。

「月長石のような…」と直喩せず「刻まれた」とすることでキラキラ感マシマシで大好き。

宮沢賢治の心象風景を見てみたくなります。

劇中劇の細かなエピソードに引き込まれる

蠍の火の話が好きですね。

たくさんの命を食らった蠍は自分がイタチに食われる段になって怖気付き逃げおおせ、井戸に落ち食われる事なくひとり溺れ死ぬことを後悔します。

どうせ死ぬならなぜ自分の命を差し出さなかったのかと。

そして自分の体を使って欲しいと神に祈り、炎となって夜の闇を照らすようになった。と言うお話。

蠍に共感するからこのお話が好きなのではなく、蠍の選択や顛末から気づきがあるところが好き。

自分なら自分の番が回ってきたときに潔く身を差し出すことができるだろうか?

そもそも必要に駆られて他者を害することが悪なのか?

今際の際に私は誰に何を祈るだろうか?

正解はあるのでしょうか。

ジョバンニの心情に寄り添うと心が痛む

カンパネルラと別れるまでのジョバンニの心情を考えると辛いものがあります。

銀河鉄道での出来事は夢のようなもので、現実でのことは一旦忘れているかと読めます。

しかし、端端でカンパネルラとの別れを予感して言葉に詰まるようなジョバンニを第三者的に見ると悲しくなります。

カンパネルラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(泣)

疑問→調べたこと

レールを7つ組み合わせると丸くなる…

カンパネルラの家にあるアルコールランプで動く列車のおもちゃのレールがそんな形らしい。

「出来上がった形が真円なら7等分すると内角が割り切れないのでは?」と思った。

360度を7で割ると51.428…だから。まぁ7で割り切れる円周であれば簡単なのかな?正7角形作って周りを滑らかに繋いだ方が簡単なのかな。

でも調べてみたところやっぱり正7角形の作図も結構難しく、インテリアに入れ込むには作為的なこだわりがないといけない気がする。何か意味があるのか…

あまり関係ないですがイギリス硬貨には7角形のものがあるらしいです。こんなの↓

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辺が曲線なのでルーローの7角形というらしい。実物を検索するとまぁ円形に近いと言えば近いかな?

ジョバンニが見たレールもこんな形だったのかも??

でも角度がついてると列車のおもちゃ走れないしな。なぞ。

天気輪の柱とは

宮沢賢治の造語、仏教由来の建造物からひっぱってきたものらしい。

丘の上に立っていてそこで眠りについたジョバンニは夢の世界で銀河ステーションにいることになる。

その時にはその柱は蛍のように光る三角標に姿を変えている。

なんのことかさっぱりでしたが、読んでる時はモノリス的なモニュメントをイメージしていました。ミニチュアオベリスクみたいな。

画像検索してみると、造語なだけあって銀河鉄道の夜のイラストがヒットします。

大木や鉄塔のような絵もちらほら見えるので、いろんなイメージがあるのだなと思いました。

あなたの天気輪の柱はどんなイメージでしたか?

青い橄欖の森

青いかんらんの森の情景がイメージできなかったので。

かんらんとはオリーブのことか、橄欖石のことか?どっちなんだろう?

オリーブの木は小豆島に旅行に行った際にたくさん見たのですが、自然に群生しているイメージが湧かず、どちらか
と言うと畑や林のイメージ。

比喩に鉱石の名前がたくさん出て来るので、橄欖石の方がしっくりくるけど、森なイメージはなおさらなく。笑

辿り着いたイメージは群生しているオリーブの木に成っている実が橄欖石でキラキラしてる。
みたいな感じかな?

ただ、観覧石って緑(ほんとオリーブ色)なイメージなので「青い」というのが少し引っかかる。昔の人って葉っぱとか「青い」っていうし色彩感覚、表現の差かも。

そうすると現代人が読んでイメージする絵は、宮沢賢治の心象の色彩と全然違ったりするんでしょうね。面白い。

ほんとうの幸いとは?

カンパネルラが「お母さんはゆるしてくれるだろうか」と思い悩んでいたところが、最後まで読み終わって読み返すとなんとも言えない悲しさがあります。

友人を助けるために身を投げ打ったことで死んでしまった。結果、父や他の友人を悲しめる結果にもなった。
後悔はしていないにしても、正しいことをしたかの判断に悩んだのでしょうか。

ジョバンニも終盤カンパネルラが消える直前、「ほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない」と言います。

このセリフからは「自己犠牲」「献身」の正しさを問うているのではなく、皆の幸せのための手段としてそうすることを厭わないと読み取りました。

肯定も否定もしにくいのですが、やっぱり「ほんとうの幸い」が何か、「みんな」をどこまで含めるかで人それぞれ答えが全然違ってくるのでしょうね。

私は人類愛みたいに大きく出れないし、友人も少ない方なので、「みんなのため」に振り切れるところは素直に羨ましいです。

改めて読むとやっぱり文章が綺麗で雰囲気は好き。

動植物や鉱石、天文分野のモチーフが多く使われてるので読むのが楽しい。

逆に内容や思想的な部分は共感しにくい部分が多い印象。

でも拒絶反応が出るような部類ではないので、もういくつか読んでいこうと思う。

宮沢賢治の作品は著作権が切れてるので、いろんなプラットフォームで無料で読めます。Kindleにもあるので是非。

似たようなテイストでは双子の星と星巡りの歌とか一緒に読むと楽しいです。

それではまた。