なぜ人は開けた場所に球体を置きたがるのか。
上野に来るのは何度目か、合っていれば3度目だろう。一度にいろんなところを回るには見所の多いので東京都美術館に来るのは実は初めてだ。
ドローイングとは何か展を見に地下の展示室に向かう。
ドローイングというように線や点で描かれたモノトーンの絵たちが色々なことを思い起こさせる。明瞭に何をモチーフとしているかわかる物も写っているもの以上の何かを訴えかけるようだ。ぼんやりとしたグラデーションのような絵も関連のない記憶が突然想起されるようで長い時間眺める楽しみがある。
airiさんの絵も見ることができて一安心。大きい絵なので生で見るとやはり迫力がすごい。
私は普段あまり絵を描かないので過程の想像がつかない。そのため遠目に見た時細かなディティールがどうなっているのかと疑問を持ち、近づいてみて2度驚く、ということが全てにおいて行われる。とても楽しい。
一旦喫茶店に入って一休み。
料理が出てきたらまず写真を撮るということができない民。立体的な飾り盛りは崩されたが味は変わらないので良しとしよう。食欲に勝てんのよ。
ご一緒した友人とおやつを食べながらこの後の公園散歩についてふんわり相談。写真撮るの楽しいよねって話にもなり、カメラを預けて撮影をお願いしようと思いつきました。
にわかにカメラを渡して少し驚かせてしまいましたが楽しくスナップしていただけたようでとても良かった。傍から見てるこちらも楽しくなりました。
噴水のある広場から不忍池の方へゆっくり歩いて回ろうということになり、まずは練習がてらカメラの操作確認。
奥の格式高そうな建物は東京国立博物館。噴水には何種類かの花が植えられており鮮やか。私にはこの花はチューリップのように見えるのだが、冬に咲く花だったろうか?なんとなく春のイメージだけれど。
噴水のヘリを小さな子供が通り過ぎるのを待ちながらシャッターチャンスを窺うのも、人が多いところで写真を撮る醍醐味に思う。
不忍池への方向へ歩いて進むと上野東照宮の入り口に。
残念ながらちょうど閉まる時間だったのでぼたん苑には入れず。奥の本殿まで参道を進む。
豪華な金色のもんは文化財になっているらしい。額の龍は左甚五郎作らしい。眠り猫の人だと思っていたがやはり名工の作品はそこかしこに残っているのだろうな。ころころ変わる景色に気を取られて解説をちゃんと読まずにいたら逃している情報が多かった。看板を見つけたらAボタンはリアルでも忘れてはいけないね。
西のものとしては並べられた鳥居を見ると伏見稲荷を思いだ…さなかったわ。実は行ったことない。凛々しいお稲荷様に見送られつつ鳥居を抜けてそのまま不忍池へ向かう。
曇り空に陽も沈みかけた時間、不忍池辯天堂の明かりがぼんやり浮き上がる。
蓮の葉が枯れて浮き上がっていたが季節が合えば大きな葉と花が茂るのだろう。雰囲気が違ってまた良さそうだ。
池の周囲をぐるりとまわり大阪に帰るべく駅へ向かう。年末に続きよき旅になったように思う。
改めて写真を見ながら思ったことがある。やはり人それぞれ目線が違うし気づくところが違うということ。一緒に歩きながら私がiphoneで撮った写真と見比べて見ると撮るものも構図も違ってとても面白い。
その瞬間、その場所にいて自分の見える景色を切り取るのは特権的な行為なのだと思う。これからまた一人歩きながら写真を撮ることがあるだろうが、少し誇らしい気持ちになれそうだ。
それではまた。
おまけ
さて、これはどこで撮ったでしょう?
花手水は場所ごとの特色や季節感もあって楽しい。
帰りの新幹線。晩御飯はあなごのお寿司。京都の五重塔と反射で写る車内。