[ブックレビュー]賢人たちのひらめきに学ぶ!科学史ひらめき図鑑が面白かった話

読書

こんにちは、ハクロです。

図書館の中高生向けコーナーにおいてあった本がとてもおもしろかったので紹介します。

こちら

科学史ひらめき図鑑 世界を変えた科学者70人のブレイクスルー
スペースタイム
ナツメ社
売り上げランキング: 25,610

人類の発展に寄与してきた偉大な科学者たちの、ひらめきのストーリーをまとめたものです。

その数70人。

その問題解決に至る過程は、科学のみならず、ビジネスや普段の生活のなかでも役立つものが多いです。

印象にのこったエピソードをひとつ紹介しますね。

自分の信念を貫き地動説を提唱したコペルニクス

コペルニクスは15世紀に生きたポーランドの天文学者です。

紀元前の昔から宇宙の中心には地球があり、その周りを太陽や月、火星などの他の惑星や星々が回っている天動説が信じられてきました。

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こんな感じで想像してたみたいですね。

ただ、コペルニクスは研究の過程で気づいたことがありました。

地球を中心に他の星の動きを説明しようとすると、どうしても複雑になってしまうということ。

たとえば火星の動きを地球中心に考えると、一度来た道を逆行してしまうのです。

そこでコペルニクスはこう考えました。

「宇宙の法則がこんなにも複雑なわけがない」

自然にはとても美しい法則が多々あります。彼もそんな自然の「美しさ」に対して信じるところがあったのでしょうね。

そこで、太陽を中心に天体の動きを説明する「地動説」を提唱しました。

地球を中心にすることで「美しく」説明できたのです。

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実際にはコペルニクスは地動説を提唱したに過ぎず、後の科学者たちが観測や計算を重ねることで証明されることとなります。

しかし、自身の信念に従い、社会的に信じられてきたイメージを覆すに至ったひらめきは素晴らしいものですね。

いまでは物事の見方が180°変わってしまうことを「コペルニクス的転回」と呼びます。

ことわざにも名を残す、まさに偉業ですね。

本書の魅力

私が感じた本書の魅力は3つあります。

①ひらめきの事例が豊富

目標達成のためのケーススタディが70個も掲載されているのは素晴らしいですね。

下手な自己啓発書よりも参考になると思います。

「視点を変える」「人の話を聞く」「失敗から学ぶ」「偶然を呼び寄せる」「苦労を惜しまない」の5つの章に分かれています。

ゼロベース思考とかセレンディピティとか習慣化とかもろもろ自己啓発書っぽいキーワードを当てはめれますね。笑

ビジネス書が好きな社会人の方にもおすすめできます。

②偉人のチョイスがナイス

上では本書の内容に沿ってコペルニクスを紹介しましたが、他の有名どころの科学者だとガリレオ、ニュートン、ノーベル、アインシュタインなどが紹介されています。

それだけではなく、まぁマニアック(褒めてる)な科学者たちが紹介されています。

血液型を発見したカール・ラントシュタイナーや、安全ガラスを発明したエドゥアール・ベネディクトゥス、無機物から有機物を合成したフリードリヒ・ヴェーラーなど今の我々の生活に欠かせない発明をした方々ですが、あまり知られていない科学者たちもたくさん載っています。

私は高校のころから物理が好きで大学でも物理専攻だったので、原子モデルを提唱したラザフォードやX線結晶構造解析法のブラッグ親子が紹介されているのはちょっと嬉しかったです。(プディング型原子モデルとか久しぶりに聞いて笑った)

大学で理系の学部を卒業した方なら、得も言われぬ懐かしさとともに眠っている教科書を開いてしまうことでしょう。笑

③説明が丁寧でわかりやすく、イラストも見やすい

ページレイアウトがとても考えて作られているところが、とても評価できます。

科学的にムズがしいところはすべてイラストで解説されています。

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イラストも可愛らしくデフォルメされていて、肖像画と比較してみても面白いです。笑

発見の過程だけでなく、後の世にどのような貢献をしたのかまで順序立ててレイアウトされているので、読みやすさ抜群です。

ちょっと残念なところ

この本のキモは、科学者がどんなヒラメキをしたかがメインですし、イラストを交えてわかりやすく説明されていはいますが、内容自体は専門的で難しいところが多いです。

図書館で中高生向けの特集コーナーにおいてありましたが、中学生とかだと少し背伸びしないと興味を持つ前に挫折してしまうか科学にめんどくささを覚えてしまうかも・・・

意識高い系の理科好きの高2くらいだと説明のはしょり方からして物足りなさを感じてしまうかも・・・

面白く読めるターゲット的には理系卒の社会人あたり(私みたいな)かもしれませんね。

まとめ

残念ポイント書いといて言うのもなんですが、残念というほどのものではありません。笑

科学に興味のある人なら、十分に楽しんで読めるおすすめ本です。

科学史の中でも近現代の内容も網羅していますし、化学、物理、数学、工学、医学、心理学など様々な分野の偉人にふれることができるのでとてもお得です。

ぜひ読んでみてください。

科学史ひらめき図鑑 世界を変えた科学者70人のブレイクスルー
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それでは〜